ご家族がお亡くなりになり、ご遺骨と共に慌ただしくご自宅へ戻られたばかりのことと存じます。
心よりお悔やみ申し上げます。
大切な方を失った深い悲しみと、葬儀後の様々な手続きに追われる中で、
「これから四十九日(しじゅうくにち)まで、ご遺骨はどうしたらいいのだろう?」
「失礼のないように、きちんとご供養したい」
という不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
というわけで今回は、
- ご遺骨を安置する「後飾り祭壇」の作り方
- お供え物や日々の供養の基本
- よくある疑問や不安の解消法
など、よくある疑問をharuが調査!
故人を偲び、ご遺族の方が少しでも心穏やかにこの期間を過ごすための一助となれば幸いです。
そもそも「四十九日」とは?故人の旅立ちに寄り添う大切な期間 🙏
まず、なぜ「四十九日」が大切なのかを知ることで、ご遺骨との過ごし方がより意味深いものになります。
祭壇
仏教の教えでは、故人の魂は亡くなってから49日間、この世とあの世の間を旅するとされています。
この間、七日ごとに閻魔様をはじめとする十王による審判を受け、来世の行き先が決まると考えられています。
ご遺族が故人のために行う供養(お線香をあげる、お祈りをするなど)は、故人が良い世界へ行けるよう、その旅を後押しする応援のようなものです。
そして、49日目(四十九日)は、その最終的な判決が下される最も重要な日。
この日をもって、忌服期間が明ける「忌明け(きあけ)」となり、故人の魂は次の世界へと旅立ち、ご遺骨はお墓へ納骨されるのが一般的です。
この49日間は、故人のためにお祈りを捧げると同時に、ご遺族が少しずつ悲しみと向き合い、心の整理をしていくための大切な時間でもあるのです。
ご遺骨を安置する「後飾り祭壇」の作り方と飾り方 🏡
ご葬儀から四十九日の法要まで、ご遺骨を自宅で安置しておくための仮の祭壇を「後飾り祭壇(あとかざりさいだん)」または「中陰壇(ちゅういんだん)」と呼びます。
葬儀社が用意してくれることも多いですが、ご自身で準備することも可能です。
どこに設置すればいい?
故人が安らかに眠れるよう、静かで落ち着いた場所に設置するのが基本です。
- お仏壇がある場合:お仏壇の前や横が最も丁寧な場所です。
- お仏壇がない場合:リビングや故人が生前よく過ごしたお部屋など、ご家族がお参りしやすい場所で構いません。
- 直射日光が当たる場所
- 湿気が多い場所
- 玄関やドアの近くなど、人の出入りが激しく落ち着かない場所
何を用意すればいい?(祭壇の飾り方)
一般的に、後飾り祭壇には以下のものを飾ります。
完璧に揃えることよりも、故人を想う気持ちが大切なので、あまり気負わずにお考え下さいね。
- 祭壇(机)と白い布
小さな机や台、あるいは丈夫な段ボール箱を用意し、上から白い布をかけます。2段または3段のものが一般的です。
- ご遺骨(骨壷) 🏺
祭壇の最も高い段の中央に、骨壷を安置します。
- 白木位牌(しらきいはい)
ご遺骨の前、または横に置きます。これは、四十九日法要まで使う仮の位牌です。
- 遺影 🖼️
ご遺骨の奥、または横に、故人のお顔がよく見えるように飾ります。
- 三具足(みつぐそく)
- 香炉(こうろ):お線香を立てるもの。中央に置きます。
- 燭台(しょくだい):ろうそくを立てるもの。向かって右側に置きます。
- 花立(はなたて):お花を飾るもの。向かって左側に置きます。
- りん 🔔
お参りの際に鳴らすものです。座布団を敷き、りん棒と一緒に置きます。
- お供え物 🍚
- お水・お茶:毎日新しいものをお供えします。
- ご飯:炊きたてのご飯を、ご家族が食べる前にまずお供えします。
- 故人の好物:生前好きだったお菓子やお酒なども、ぜひお供えしてあげてください。
宗派や地域によって飾り方が異なる場合があるので、ご不安な場合は、お世話になったお寺や葬儀社に確認するのがおすすめです。
四十九日までの過ごし方:日々の供養で大切なこと 😌
祭壇を整えたら、日々の供養を通して故人に寄り添います。
難しい段取りなどはないのでご安心くださいね。
朝晩のお参り
- 朝:「おはようございます」と声をかけ、お水(またはお茶)と炊きたてのご飯をお供えします。
- 夜:「おやすみなさい」と声をかけ、お供えしたご飯などを下げます。
- ろうそくに火を灯し、その火からお線香に火を移して香炉に立て、りんを鳴らして合掌(がっしょう)します。
お供え物について
お花は枯れないようにこまめに水を替え、故人の好物も傷まないうちに「お下がり」としてご家族でいただくのが良い供養になります。
弔問客への対応
四十九日までは、ご友人や知人の方がお参りに来てくださることがあります。
その際は、後飾り祭壇にお参りしていただくのが一般的です。
こんな時どうする?遺骨の安置に関するQ&A 🤔
Q. 仏壇がない場合はどうすればいい?
A. 全く問題ありません。
後飾り祭壇は、お仏壇の有無にかかわらず、忌明けまでご遺骨を安置するためのものです。
お仏壇がないご家庭でも、今回ご紹介した方法で祭壇を設けてご供養すれば、何ら失礼にはあたりません。
Q. 旅行などで数日間、家を空けても大丈夫?
A. 大丈夫です。
故人も、ご遺族が自分のために無理をしたり、生活を犠牲にしたりすることを望んではいないはずです。
家を空ける前と帰宅後に、心を込めてお参りをすれば問題ありません。
お線香やろうそくの火の始末は、くれぐれもご注意ください。
Q. 49日を過ぎたら、ご遺骨はどうすればいいの?
A. 四十九日法要を終えた後、お墓や納骨堂に納骨するのが一般的です。
しかし、近年ではすぐには納骨せず、しばらくの間ご自宅で供養する「手元供養」を選ばれる方も増えています。
まとめ:故人を想い、心穏やかに49日間を過ごすために 🕊️
ご遺骨と共に過ごす49日間は、故人にとって来世を決める大切な旅の期間であり、ご遺族にとっては悲しみと向き合うための重要な時間です。
- 後飾り祭壇を整え、故人が安らげる場所を作る。
- 日々の供養は、難しく考えず「おはよう」「おやすみ」の声かけから。
- 一番大切なのは、故人を想うご遺族の気持ち。
完璧な作法よりも、心を込めて故人に寄り添うことが何よりのご供養になります。
フルーツのお供え
慌ただしい日々の中、時には悲しみに暮れることもあるかと思いますが、どうかご無理なさらず、故人との対話の時間を大切に、この49日間を心穏やかにお過ごしください。