日本の葬儀には、古くから伝わる様々な習わしや作法があります。
その中で、故人を偲ぶ祭壇の傍らや、お棺の枕元に、白いご飯を山盛りに盛り、その真ん中に箸が一本立てられたお茶碗が供えられているのを、ご覧になったことがあるでしょうか?🍚🥢
これが今回こちらの記事で解説していく「一膳飯(いちぜんめし)」です。
一見すると少し不思議に感じるその光景に、「あれは何だろう?」「どういう意味があるんだろう?」と疑問に思った方も少なくないはず。
もしかしたら、故人を亡くしたばかりで、悲しみの中で詳しい意味を知る余裕がなかった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この「一膳飯」には、故人への深い感謝と、あの世への旅立ちを願う、日本ならではの美しい心が込められています🤝🪄
その意味を知ることで、故人への供養の気持ちをより深く、そして適切に表すことができるようになります。
というわけで今回は「一膳飯(いちぜんめし)」について意味や役割を調査!
日本ならではの深い文化的背景があって面白かったので、ご紹介していきますね。
「一膳飯(いちぜんめし)」とは?🍚🥢
一膳飯とは、基本的に故人に対して供えられる専用の白いご飯のことです🍚
故人が亡くなってから葬儀までの間、そして四十九日などの法要の際に供えられることが多いです。
普段何気なく目にしているこの光景ですが、その形や意味には、いつくかの深い意味があることがわかりました。
故人への最後のお供え物🙏🍚
生前、故人が最も好んだであろうご飯を、最後のお供え物として供えます🙏
故人が仏の道に進むにあたり、この世での最後の食事、あるいは旅立ちの前に力をつけるための食事という意味合いがあります。
仏様になった故人へのお膳👼🍚
仏教の考え方では、人は亡くなると仏様になるとされています。
一膳飯は、亡くなった方が仏様として召し上がるための、特別な食事として供えられます。
死後の世界への旅立ちの準備🛤️🌍
故人が無事にあの世(仏教でいう浄土など)へ旅立てるよう、その道中の栄養や力となるように供えられます。
まさに、旅立ちの前に用意する「お弁当」のような意味合いを持つとも言えます。
一膳飯は、故人への「ありがとう」の気持ちと、「安らかに旅立ってほしい」という願いが込められた、非常に象徴的なお供え物なわけですね。
一膳飯の「盛り方」と「箸の立て方」に隠された深い意味🥣🥢
特徴的なビジュアルの「一膳飯」ですが、その盛り方や箸の立て方にも、それぞれ意味が込められていました。
諸説あったので、抜粋してご紹介していきますね。
なぜ山盛りにするのか?🍚⛰️
説①
ご飯を茶碗からこぼれるほど山盛りにするのは、「故人が生前に十分に食べることができた」という満腹感を示すため、あるいは「ご飯に困ることのないように」という願いを込めるため、と言われています🍚
説②
一説には、故人が旅立つ死後の世界にあるとされる「霊山」を模しているとも言われています🗻
故人が迷わず霊山へたどり着けるように、という願いの表現です🙏
説③
米は古くから神聖なものとされており、山盛りにすることで、その神聖さや豊かさを象徴しているとも考えられます。
なぜ箸を真ん中に一本立てるのか?🥢🕯️
説①
箸を真ん中に一本だけ立てるのは、その箸が「故人専用」であることを意味します🥢
生きている人が使う箸とは明確に区別されます。
説②
箸を立てることで、あの世へ旅立つ故人が、その箸を「杖」のように使って、迷わず旅路を進めるようにという道しるべの意味合いがあるとされています🚩
説③
日本の伝統的な死生観では、ご飯に箸を立てるのは「仏様へのお供え」を意味し、生きている人間が同じことをすると「縁起が悪い」とされます。
これは、故人を特別な存在として扱うための作法であり、日常の食事では決してしてはならないとされています。
決して、生きている人の食事に箸を立ててはいけません。
これは「立て箸(たてばし)」と呼ばれ、非常に不作法な行為であり、縁起が悪いとされています。
一膳飯特有の、故人への特別な作法であることを理解しましょう。
一膳飯はいつ、どこに供えられる?具体的な場面
一膳飯は、故人が亡くなってから葬儀、そしてその後の法要に至るまで、いくつかの場面で供えられます。
①枕飯(まくらめし)としての役割🛌🍚
故人が亡くなった直後から、お棺に納められるまでの間、故人の枕元に供えられるご飯を「枕飯」と呼びます。
この枕飯として一膳飯が用意されます。
通常は、亡くなられた方に最も近い家族が、お茶碗一杯分のご飯を炊き、水と線香、ろうそくとともに供えます。
故人が亡くなった日と同じ時刻に毎日供える地域もあるようでした。
地域によって特色があって興味深いですね💡
②葬儀中(通夜・告別式)のお供え🕯️💐
通夜や告別式の際、祭壇や故人の近くに安置されたお棺の脇に、供物の一つとして一膳飯が供えられます。
参列者の方々にも故人への供養の気持ちを伝える象徴的な意味を持ちます。
②初七日など法要の際🙏
四十九日までの間、毎日一膳飯を供え続ける地域や家庭もあります。
特に、亡くなってから七日ごとに行われる法要(初七日など)の際に、お供え物として用意されることもあります。
毎日の供養が難しい場合は、朝一番に仏壇や祭壇に手を合わせる際に、お供えをする地域もあるようです。
地域や宗派で異なる?一膳飯の習慣とバリエーション
日本全国には様々な葬儀の習慣があり、一膳飯の作法や意味合いも地域や宗派によって少しずつ異なる傾向にありました。
地域による盛り方・具材の違い
一般的には白いご飯を山盛りにしますが、地域によっては、ご飯に故人が好きだったおかずを添えたり、昆布や梅干し、煮物などを添える場合もありました🍴
ご飯の盛り方も、地域によっては完全に茶碗一杯にするのではなく、少し盛り加減が異なることもあります🍚
宗派による意味合いの違い
一膳飯は仏教における供養の習慣が強く反映されています🙏📿
一方で、仏教の中でも宗派によっては、特定の意味合いが強調されたり、あるいはあまり重視されなかったりすることもあります。
神道やキリスト教では、故人への食事の供養という概念は一般的ではないため、一膳飯の習慣はありません。
「一膳飯」現代での簡略化
核家族化や生活様式の変化に伴い、葬儀の規模が縮小されたり、伝統的な作法が簡略化されたりする中で、一膳飯を毎日供える習慣が薄れている家庭もあります。
最近では、葬儀社が用意してくれる場合も多く、遺族が毎日準備する負担が軽減されています💁♀️🕊️
まとめ:一膳飯は故人への感謝と敬意の象徴
葬儀の場でよく見る「一膳飯」が単なるご飯のお供え物ではないということが、今回の調査でわかりました💡
「一膳飯」は、亡くなった故人への「ありがとう」という感謝の気持ちと、「安らかに旅立ってほしい」という願い、そして残された家族の温かい「供養の心」が凝縮されたものでした🙏🕊️
現代では簡略化されることもありますが、この日本の葬儀の作法という伝統を知ることは、故人を深く偲び、心を込めてお送りする上で非常に大事な事だと思いました。
この記事を通じて、一膳飯の意味や作法を理解し、故人への尊厳と愛情を示す日本の美しい供養文化の一端に触れていただけたなら幸いです。
みやぎ生協の葬祭「プリエ」では、葬儀のご相談や準備についてもサポートしております。
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
この記事が、皆様の葬儀に関する疑問や不安を解消し、安心して故人を送るための一助となれば幸いです🌸
葬儀のことでお困りの際は、みやぎ生協プリエにご相談くださいませ!
プリエでは、「税理士法人」、「行政書士法人」、「相続専門不動産」、「特定非営利活動法人」の4つの専門機関が連携。
相続に関する悩みに対応する「みらいえ相続グループ」と提携して組合員の皆さんのお悩み解決を手助けもしています。